【北ア】裏銀座
  三ツ岳 2845m〜 野口五郎岳 2924m〜 水晶岳 2986m〜 ワリモ岳 2888m〜 鷲羽岳 2924m

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鷲羽岳付近から薬師岳(左)・水晶岳(右)   


【 日 付 】  2018年8月8日(水)〜11日(土)
【 山 域 】  北アルプス・裏銀座
【メンバー】 Tさん、六右衛門
【 天 候 】   8/8 晴れのち曇り一時雨 8/9 快晴のちガス、夕刻晴れ 
8/10 ガスのち晴れのちガス 8/9 小雨のち曇りのち晴れ
【 ルート 】   8/8:中央道・小黒川PA(仮眠)4:05→安曇野 IC→5:35七倉山荘6:20→(Taxi)→6:35高瀬ダム→13:20烏帽子小屋(泊)
       8/9:6:00→三ツ岳→10:00野口五郎小屋10: 50→11:05野口五郎岳11:10→14:30水晶小屋(泊)
       
8/10:6:25→7:02水晶岳7:15→7:50水晶小屋8:00→9:00ワリ モ岳9:10→9:40鷲羽岳10:15→10:45ワリモ岳→11:50水晶小屋12:35→15:55野口五郎小屋(泊)
       
8/11:6:18→8:45烏帽子小屋9:00→10:00三角点10:35→12: 30登山口12:40→13:05高瀬ダム13:05→(Taxi)→13:20七倉山荘

 約4年ぶりに北アルプスに遊ぶ。
Tさんの希望で裏銀座の水晶岳、鷲羽岳に行くことにしたが、ブナ立尾根から未踏の赤牛岳や高天原温泉、湯俣温泉を組み合わせようとした。
ところが湯俣温泉晴嵐荘に電話してみると、7月の西日本豪雨の際に吊り橋と電柱が流され停電なので、しばらく営業できないとのこと。
温泉も入れないので竹村新道から湯俣温泉は断念した。また水晶から赤牛の往復は遠いので遺憾ながら割愛し、結果計画は
(1)ブナ立尾根→野口五郎小屋(泊)(2)→水晶岳→高天原(泊)(3)→岩苔小谷→鷲羽岳→水晶小屋(泊)(4)→高瀬ダム とした。
ところが今度は台風13号がやって来た。
8月5日時点の予想では、9日に関東に再接近とのことで直撃はなさそうだが、9日は最悪停滞と考え、実行することにした。
(台風が怖くて山に行けますかってんだ。)


 

      
8月6日朝の台風13号 アメリカ海軍の台風13号進路予想 → 9日に再接近

 8/8 晴れのち曇り一時雨
 
早朝七倉温泉に着くと何と晴れている。台風の影響はなさそうだ。タクシーで高瀬ダムまで登り出発するが、Tさんの体調が悪くペースが上がらない。
急登で有名なブナ立尾根だが、激登りというわけではないが変化の少ない急登が長く続く。
烏帽子小屋の手前で細かい雨が降ってきたが、6時間30分以上かかって、何とか小屋に到着した。予定ではここから3時間くらい、350mほど
登って野口五郎小屋まで頑張るつもりだったが、無理と判断して烏帽子小屋に泊まることにした。この日の泊まり客は10人と空いていた。


 8/9 快晴のちガス、夕刻晴れ
 明けて9日は台風接近で大荒れかと思いきや、何と快晴だ。台風はどうなったんでしょう。
小屋からは赤牛岳と後ろに薬師岳、スゴの頭、越中沢岳が美しく並んでいた。




      
烏帽子小屋から朝の赤牛岳(左)奥に薬師岳





      
縦走路から烏帽子岳の後ろに立山、左奥に五色ヶ原




      
縦走路から三ツ岳


 縦走をスタートすると烏帽子岳の後ろに立山や五色ヶ原が見えてきた。前方の三ツ岳へ登って行くと槍ヶ岳も見えてくる。
Tさんの体調も戻り、爽快な縦走となった。コマクサは終わりかけだったが、ミヤマコゴメグサが群落だ。
野口五郎小屋で、昨日の予約キャンセルを詫び、大休止とした。




      
野口五郎小屋を出発すると奥に三ツ岳


 小屋から少しで野口五郎岳の山頂だが、ここから見る傾いた槍ヶ岳は残念ながらガスに包まれていた。
ここから水晶小屋へはゆるい下りのあと、岩ゴロゴロの細かいアップダウンの稜線を進まないといけない。
すっかりガスってしまったが、
ガスが流れてとんでもない高さに水晶小屋が見えてびっくり。最後に水晶小屋へ160mほど登らせて頂ける訳だ。
予定では今日は高天原の温泉に入って高天原泊りだったが時間的に無理なので、水晶小屋泊まりに変更した。
水晶小屋の前ではAuの携帯が通じて、高天原の予約をキャンセルした。

 水晶小屋は木の香りがする新館に泊まったが、トイレまで本当に美しく、しかも泊まり客が8人とガラガラ、超快適だった。

 夕食のカレーを食べ終わる頃(6時頃)自称79歳のおじいさんが単独でやって来られた。
79歳でここに来るとは凄い気力だなあと一瞬感心したが、食事のため低いテーブルに着く時、彼は足に力が入らないらしく、ふらついて後ろにひっくり返る。
小屋で「大雪渓」のカップ酒を買って飲みながら、20歳代の頃は3泊4日でどこどこを縦走したあんた20歳代じゃないでしょ。)と聞きもしないのに話して、
凄いなあと感心したふりをすると何を言っているのかよくわからない喋りも?

三俣蓮華の小屋?から来たそうだが、2〜3時間道に迷って?明日は野口五郎小屋まで行くそうだ。大丈夫かいな。

そうこうするうちに晴れてきたので、小屋のスタッフと外に出て写真を撮った。




      
水晶小屋から野口五郎岳





      
水晶小屋から夕刻の槍ヶ岳と北穂高岳





      
水晶小屋から夕陽のあたる鷲羽岳と手前のワリモ岳 奥に双六岳や笠ヶ岳




      
水晶小屋から 雲海に浮かぶ針ノ木岳と蓮華岳(奥右)





      
今回持ち上げた酒 佐渡の「真稜」
水晶小屋の神棚 中央に水晶が祀られている


 8/10 ガスのち晴れのちガス
 明けて10日は一面のガスだ。でもせっかく来たので水晶岳をピストンする。気温は15℃だ。

        

朝の水晶小屋 




      
水晶岳の山頂 一瞬晴れたが山は見えず すぐまた一面ガス




      
水晶岳のお花畑 ヨツバシオガマとウスユキソウ




      
水晶岳のお花畑

 水晶小屋に戻る途中で、例の79歳おじいさんがヨタヨタ?登ってきた。我々より後から出発して水晶岳を往復するらしい。
大丈夫かいなと思いつつ、「気をつけて」と別れた。

水晶小屋に戻って今度は鷲羽岳を往復する。水晶小屋から下る頃にはガスがとれてきた。




      
鷲羽岳の登りでワリモ岳(左)と奥に水晶岳




      
鷲羽岳付近から薬師岳(左)と水晶岳(右)

 鷲羽岳の山頂では、鷲羽池、双六、三俣蓮華、黒部五郎、薬師、水晶、野口五郎などぐるりと見ることができたが、槍ヶ岳は雲の中だった。
帰りのワリモ岳で、水晶小屋のアルバイト?の女の子が軽〜く走ってきて、笑顔で挨拶。




      
ワリモ岳山頂で 水晶小屋のアルバイト?の女の子

 水晶小屋へ登り直して、小屋前でいったんビール! 昼食後、意を決して再び野口五郎へのアップダウンに悲壮な決意?でチャレンジした。
小屋から滑りやすい急な下りを経て、東沢乗越まで下る。ここからは登りだ。
途中で例の79歳おじいさんがあまり足が進んでおらず、休憩しているというか
難儀していて、大丈夫かいなと思ったが声をかけて追い越す。
湯俣温泉への分岐を過ぎてからのだらだら登りが厳しかったが、時々傾いた槍ヶ岳も見えて満足したけど正直疲れた。




      
野口五郎岳付近から見る傾いた槍ヶ岳

 すっかりガスって今日は野口五郎小屋に泊まる。かき揚げ天ぷらなどを食べて(日本酒はなくなったので)ビールを頂く。
今日の小屋も20人弱と空いている。

 ところが今日野口五郎小屋に来ると言っていた例の79歳おじいさんが6時になっても来ない。
小屋のご主人?に今日来ると言っていた79歳おじいさんが来ないんですが・・・と相談すると、他の人からも話があったようで
「今若いものを向かわせているが、暗くなると危ないので6時半になったら引き返してこい。」と言ってあるとのこと。
「警察は6時で終了らしく、ヘリも暗いと飛ばないし、何より救助要請もないし。」

 結局食事後横になっていたところへ、小屋のご主人がわざわざ「来られました。
ちょっと喋ってることおかしいけど。」と報告してくれた。
やれやれこれで安心して寝られる。


 8/11 小雨のち曇りのち晴れ
 明けて11日は一面のガスで小雨が降っている。
例の79歳おじいさんは朝食の時に、「20歳の頃は3泊4日で行けたけど、疲れて無理。これからは5泊6日にしないと。」と全く懲りてない。
いやいや
北アルプスはやめた方がいいすよ。本人は人に迷惑かけてる認識がまるでなく、今日は我々と同じで高瀬ダムまで下ると言う。
コースタイムで6時間以上なので無理っぽいけど、もう好きにしなはれ!

 最終日にしてカッパを着て進む。




      
裏銀座稜線を行くTさん






コマクサは群落(時期が終わりかけでした。) ミヤマクワガタ




      
コバノイチヤクソウ
イワベンケイとイワギキョウ


 
烏帽子小屋に着くとトレラン?チームが自炊スペースを占領していて、雨だが中で休めず軒下で小休止してブナ立尾根を下った。
今日からお盆の連休になったので、続々と登山者が登ってくる。(多分数十人)
今日からは混みそうだ。
途中雨がやんだので三角点(2,209m)の少し下で(登りの人に睨まれながら?)お茶をして、
もう七倉の温泉を目指してさらに下る。
ついに4日間のロングコースを歩き通して登山口(濁沢)にたどり着いた。ここは沢水が取れるので思い切り飲んで顔を洗う。




      
ブナが美しい。そういえばここはブナ立尾根だった。

 さらに高瀬ダムまで歩いてタクシーで七倉温泉に着くと、お気に入りの半露天風呂とざるそば!(車の運転があるのでビールが飲めぬ。)
今回台風の影響もなく、ダイナミックな稜線を楽しめたのはラッキーだった。(このあとお盆の渋滞にハマる。)

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