【北ア】裏劔 その2 平ノ池 1985m 仙人池 2085m
  黒部ダム 〜 内蔵助平 〜 ハシゴ谷乗越 〜 真砂沢ロッジ 〜 池ノ平 〜 仙人谷 〜 雲切新道 〜 阿曽原温泉 〜 欅平

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水平歩道からの白馬岳、杓子岳(9/23)   


【 日 付 】  2018年9月20日(木)〜23日(日)
【 山 域 】  北ア
【メンバー】 六右衛門と愉快な仲間たち 関西組3名 関東組3名
【 天 候 】  20日:曇のち雨 21日:雨 22日:雨のち曇り夕刻晴れ 23日:晴れ

【 ルート 】   19日:京都駅八条口 23:45 →(さわやか信州号)
       20日:→ 5:52 扇沢 7:30 →(トロリーバス)→ 7:46 黒部ダム → 9:23 内蔵助谷出合 → 11:15 内蔵助平 12:15 → 14:15 ハシゴ谷乗越
           14:50 → 16:15 剣沢出合 → 17:00  真砂沢ロッジ(泊)
       21日:7:05 → 8:25 二股吊橋 8:35 → 11:20 仙人峠 → 12:10 池ノ平小屋 → 平ノ池往復 → 池ノ平小屋(泊)
       22日:6:15 → 7:10 仙人池 → 9:30 仙人湯温泉 9:45 → 10:30 (P1629)  10:55 → 14:05 仙人ダム → 15:40 阿曽原温泉小屋(泊)
       23日:7:05 → 9:20 折尾谷 → 13:35 欅平 14:37 →(トロッコ)→15:54 宇奈月 → 総湯 → 宇奈月温泉 17:09 →(富山地鉄)→ 17:32 新黒部
          ・黒部宇奈月 17:48 →(はくたか569)→ 18:24 金沢 18:42 →(サンダーバード44)→ 20:54 京都


22日(土):池ノ平小屋 → 仙人池 → 仙人谷 → 仙人湯 → 雲切新道 → 仙人ダム → 阿曽原温泉小屋

 3日め今日も雨だ。
今日は悪路の激下り:雲切新道へ行くので心配になって、引き返して真砂沢から剣沢を登り返すほうが安全かと本気で悩んだが、
小屋番さんに聞いてみると「どっちもどっち」とのこと。
それでも剣沢の小屋に連絡を入れて頂いたようで、今日は3連休の初日土曜日ということか満室で泊まれないとのこと。
予約もしているし止むを得ずというか、他に選択肢がないので予定通り阿曽原温泉に向かう決断をした。
同宿の7人組も同じ行程で、
小屋番さんは「気をつけて行って下さいというしかない。」

 仙人峠へ少し登り直し、木道を下って仙人池ヒュッテに着いた。絶好の展望地なのに雨が強くて誰も池を見に行こうともしない。
「池に映る劔見ないの?」仙人池の周りには一人のカメラマンもおらず、
心の目で剱岳の勇姿を見た。
(紅葉の時期は混んでいるので、7月中旬ころ剣沢雪渓を下ってくるのがいいかもしれない。)


 

      
レンズに水滴が・・・・(Sさん撮影)  破線は心眼 剱岳


 意を決して仙人谷の下りに入る。今年度は仙人温泉は営業しておらず、阿曽原まで足を伸ばすしか無い。
結果的に今回のルートの中では仙人谷が核心部だった。
枝沢を含め渡渉が4回、仙人谷の本流を渡る渡渉は増水していて流れが速く、ひざ下程度だったが危険なところだった。
ここで昨晩同宿だった7人組パーティーを追い越す。
渡渉点の下流側は4段の滝になっており、
谷の両側から普段は流れていないだろう沢が落ち、本流は豪快に流れている。
雪渓が残っている部分もあり、ダイナミックな谷を黙々と下った。


 

      
仙人谷の様子 (左岸の雪渓の上を巻きます。)


 

      
仙人谷を行く愉快な仲間たち




      
雪渓の下をくぐる 阿曽原小屋情報では我々の通過後、仙人池の小屋番さんが雪渓を叩き潰したそうです。


 
ようやく仙人温泉に着いて雨の中、小休止。ここに泊まる計画も考えたのだが、今年度は営業しないとのことで温泉も入浴できず残念。
少し下って今度はしっかりした橋で右岸に渡り、硫黄の匂いのする源泉部を通って雲切新道の切られている尾根まで100mくらい登る。
登り切ったところ1629mピークで雨が弱くなりほぼ止んだので少し早いが昼食にした。
小屋番さんから「転んだら泥んこになるぞ。」と脅かされていた雲切新道は、急な下りだが予想に反し良い道だった。
下るにつれて天候が回復し、鹿島槍か五竜あたりのピークと青空も見えてきた。やれやれやっと雨がやみ、誰も転ばず仙人ダムに到着した。

 仙人ダム周りのルートは面白く、ダム管理所の屋上を通過し、管理所の建物に入るが、管理所の事務所には行かず、ダム管廊のようなトンネル風通路を進む。
途中関電のトロッコ線路を横切ったりして、扉を開けて外に出るとダムの下流側に出る仕組みだ。







登山ルートは建物の中やトンネル
左はダム管理所の事務所です。直進して突き当りを右が登山道。





      
こんなトンネルを進む。
途中水路橋を走るトロッコの線路を横切る。




      
ダム下流に出たところ。熊が入るので扉は閉めること。


 ようやく阿曽原に近づいてきたが、この後は150mほど登ってから水平道を歩いてその後下るというギミックが待っている。
ここは下ノ廊下(日電歩道)から来ても最後疲れた頃に無駄に?登り降りさせられるところだ。
温泉とビールが待っていることを楽しみに頑張る。池ノ平を出て9時間半、ロングコースは終わりとなった。

 阿曽原温泉小屋に泊まるのは32年ぶりである。現在の小屋主、剛毅にして繊細な気配りの佐々木泉さんは26年前かららしいので初見だ。
温泉は時間によって男女入れ替え制で、到着した時男性の時間帯になったところだったので、先に温泉に行きなさいと勧められて皆温泉に向かった。
記憶では小屋のすぐ横にあった温泉が、坂を下ること7〜8分、登りは汗をかかないようにゆっくり登って10分くらいの位置だった。
単純温泉のようだが、横にあるトンネル(高熱隧道)から湧き出るお湯を源泉掛け流しというか、
金裕美さんの「わたしのしあわせ温泉時間」という本でいわく「源泉かけ捨て」状態。
すっかり天候は回復して山を望む清々しい入浴だった。(裸の写真は割愛)私は雨に濡れた衣類を総着替え!




      
阿曽原温泉 この開放感は最高!

 今日は3連休初日の土曜日なので混雑を覚悟していたが、40名くらい?か余裕で安心した。
( 紅葉の時期には1ヶ月くらい早いせいか、雨予報のせいか。)
夕食は混雑の時は名物のカレーになるらしいが、今日は野菜のかき揚げ天ぷらで美味しかった。
食後に阿曽原小屋のビデオ鑑賞 ↓登場人物の佐々木さんが自ら解説




      
小屋主 佐々木さん(小屋のHPにもお顔が出てます。E・クラプトンのファンらしい。)


23日(日):阿曽原温泉小屋 → 水平歩道 → 欅平

 最終日23日になってようやく晴れた。
今日は水平歩道を欅平までの行程だ。今日は水平(=楽ちん)という思いとは裏腹に、水平道の高さまで朝一番から130mほど登る。
このことはメンバーに話していなかったので、何で登るの〜。

 手掘りのトンネルや岩をくりぬいた歩道などで頭を打つかもしれないので今日はヘルメット着用。
ところがそこではなく普通の道で、水平に出っ張っている木に頭をゴーンとぶつけて、瞬間軽い脳震盪状態になったのか後ろにペターンと座り込んでしまった。
でもダメージはなく、さすがヘルメット、役に立つなあ。

 水平歩道は1本め折尾谷のトンネル
、岩をくりぬいた大太鼓、有名な志合谷の曲がった真っ暗なトンネルなどアトラクション?があり、
奥鐘山の大岩壁や、終盤の後立山の展望も素晴らしい。断崖絶壁を番線頼りに進む。





      
水平歩道まで登る途中から阿曽原温泉小屋 50m下に温泉





      
凄い岩壁




      
水平歩道を行く




      
水平歩道で私





      
名勝:大太鼓 頭打ちそう。




      
志合谷のトンネル内部 公開 真っ暗で結構長いし、下は水浸し





      
水平道




      
水平道 から 白馬岳(左奥の小さい三角) 雪のように白い杓子岳(右)




      
杓子岳、白馬鑓ヶ岳 中央は中背山あたり? 天狗ノ頭と不帰ノ嶮

 延々と歩いてトロッコの汽笛が流れてくると最後に350mほど欅平駅まで下って大団円だ。
駅のまわりは観光客(外国の人含む)でごった返している。ビールで乾杯し、4日間歩いたのに一つのピークも踏まない旅が終了した。

 あとはトロッコにガタガタ揺られて宇奈月で関東組と別れ、Sさんと宇奈月温泉の総湯へ。
それから少し引き返してトロッコ駅と富山地鉄駅の間にある魚屋さん「有磯きときと庵」さんで「ますの寿司」と「ホタルイカの沖漬け」を購入。
この「ますの寿司」が素晴らしく美味しかった。




      
宇奈月温泉で「ますの寿司」


 
   裏剱 その1

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